三鷹女子高生殺害 事件当日早朝から「隣家の屋根にいた」
東京都三鷹市で私立高3年鈴木沙彩さん(18)が刺殺された事件で、

逮捕された元交際相手の池永チャールストーマス容疑者(21)が「事件当日、午前4時ごろ
から鈴木さん宅隣家の屋根の上にいた」と話していることが29日、警視庁への取材で分かった。
東京地検立川支部は同日、殺人罪などで池永容疑者を起訴した。
捜査1課によると、池永被告は事件当日の8日午前3時ごろまで東京・吉祥寺(武蔵野市)の
漫画喫茶を利用。その後、生徒宅に向かい、4時ごろから同じ敷地内にある空き家の
屋根の上に隠れ、約8時間後に生徒宅に侵入したと供述している。
生徒は午後4時50分ごろ、室内に潜んでいた池永被告に刃物で刺され殺害されたとみられる。
2013.10.23 14:13
三鷹女子高生殺害、重く…警視庁がストーカー対応で実務研修会
警視庁は23日、ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)などの相談を担当する
警察署の責任者を集め、実務研修を開催した。
石田高久生活安全部長は、東京都三鷹市で私立高3年の女子生徒が刺殺された事件
に触れ、「相談者の安全確保を最優先して、被害の発生を阻止してもらいたい」と訓示した。
石田部長は「警察を頼って相談に来た人の命を救うことができなかった事実を重く受け
止めなければいけない」と指摘。ストーカー相談があった際は、素早く署長や本部に
報告して情報を共有することが重要だと強調し、相談者の安全確保に最大限の措置を
とる必要があるとした。三鷹市の事件では女子生徒が三鷹署に相談した当日に刺殺
されており、警視庁は対応に問題がなかったか検証している。
2013.10.24 10:29
イケメンでも「フラれ慣れていない男」はストーカー気質か
池永容疑者は、沙彩さんが初めての恋人で、有名大学の学生と嘘をついてまで
交際したい相手だった。恋人関係が終わったという現実を受け入れられなかった
池永容疑者。社会心理学者の碓井真史さんは、沙彩さんの着信拒否が凶行の
引き金になった可能性も否定できないと話す。
「池永容疑者は、一方的に、突然、関係を断ち切られたと受け止めたのでしょう。
自分の存在自体を否定されたと思ってしまったのかもしれません。結果として
逆上してしまった」池永容疑者をはじめフラれ慣れてない男性は、別れる際の
距離の取り方に気をつけないと、ブレーキのきかないストーカーと化してしまうという。
※女性セブン2013年11月7日号
2013.10.28 10:19
ストーカー殺人、絶たれぬ「負の連鎖」…もぬけの殻だった三鷹署
ストーカー殺人が、再び繰り返された。相談を受けた警察署は被害の深刻さを
見誤り、十分な対策が取られなかった。なぜ、負の連鎖は断ち切れないのか。
地域の防犯イベントを開いていたその日、地域で暮らす女子高生が巻き込ま

東京都三鷹市の高校3年、鈴木沙彩(さあや)さん(18)が両親に付き添われ、
警視庁三鷹署にストーカー被害の相談で訪れた後に殺害された今月8日、
担当の生活安全課は朝から夕方までイベントのため、ほぼもぬけの殻だった。
平成23年12月の長崎県西海市のストーカー殺人事件を受け、警察庁は
ストーカー相談は迅速に生安課長を通じて署長に報告するよう通達した。
だが、相談を受けた署員は独断で、池永チャールストーマス容疑者(21)に
口頭で警告することを決め、課長への報告は事件発生後だった。
警視庁生活安全総務課の山口寛峰課長は「生安課長には電話でも報告
できた。署員がすぐに報告すべきだとの判断に至らなかった」と“弁明”。
報告遅れとイベントとの因果関係を否定する。だが、ある警察OBは
「課を挙げてイベントに取り組む中で、遠慮がなかったとは言えまい」と語る。
切迫性認識しきれず
中央大法科大学院の小木曽綾教授(刑事訴訟法)は「結果的に、警察が
サインを見過ごして、切迫性を認識しきれなかったということだ」と指摘する。
警視庁はストーカー相談への対応ミスを指摘する報道に敏感に反応するか
のように、「『殺すぞ』というメールがあったというのは誤り」などと情報を修正。
署員がすぐに報告すべきだと判断するまでの切迫性はなかったといわん
ばかりに釈明するが、ストーカー犯罪抑止に取り組む番敦子弁護士は
「わざわざ関西から出てきた。『死んでやる』とメールを送っていた。
いずれも危険性が高いと判断すべき材料だ」と非難する。
ストーカー相談では通常、被害者側に「ストーカー・DV等への対応について」
という文書が提示される。「刑事手続」「文書警告」「口頭警告」などの選択肢から、
警察に希望する処置を選ばせるものだが、素人である被害者は何を基準に
選べばいいのか。
実際に鈴木さんは、文書警告と口頭警告に「○」をしただけで、刑事手続きは
望まなかったという。だが、こうした文書は、対応に問題があったときに
「被害者の意思だった」という警察の“言い訳”にも使われかねない。
番弁護士は「プロである警察の方から、最善策を積極的に提案すべきだ」と力説する。
「取れる措置あった」
番弁護士が約3年前に担当したケースでは、警察が被害者に「2、3日は帰らないで」と
強く説得し、円満解決に導いたという。
自宅周辺への警察官の配置、パトロール、公共施設での保護…。「今回も警察が
すぐに取れる措置はいろいろあった」と、番弁護士は言う。
電話対応で済ませようとしたことが、最悪の事態を想定していなかったことを
何よりも物語っている。
そもそもストーカー規制法は、暴行や傷害事件に発展しなければ加害者を
取り締まれなかったものを、被害者側からの申告に基づいて摘発できるように
したことに意義がある。そしてストーカー殺人が繰り返される度に、
警察は「反省」と「検証」を繰り返し、再発防止を約束してきた。
にもかかわらず、事件の4日前に学校側から相談を受けた杉並署は、
三鷹署に“たらい回し”にしたと批判されても仕方のない対応をしてしまった。
番弁護士は「ストーカーは最悪の結果につながるという、過去の教訓が全く
生かされていない。警視庁が現在行っている事件の検証は、お手盛りでは
許されない。最終的には警察だけでなく、有識者などを交えた徹底的な
検証が求められる」と訴えている。
0 件のコメント:
コメントを投稿