三鷹ストーカー、電話後2分間で凶行 「着拒」で恨み増幅か
東京都三鷹市で高校3年の鈴木沙彩さん(18)が刃物で切られて殺害された事件で、池永チャールストーマス容疑者(21)=殺人容疑などで送検=が鈴木さんを襲撃したのは、警視庁三鷹署員が鈴木さんに安否確認の電話を終えた直後の約2分間だった
ことが13日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査1課は池永容疑者が通話が終わるのを見計らい、強い殺意を持って犯行に及んだとみている。警視庁によると、三鷹署員が鈴木さんに電話をしたのは8日午後4時51分。安否確認や文書警告をするための段取りなどを確認し、同53分ごろに通話を
終えた。池永容疑者は鈴木さんの自室のクローゼット内から、鈴木さんの電話が終わる
のを待った上で部屋に出て、逃げ回る鈴木さんを追いかけてナイフで切り付けた。
鈴木さんが自宅前の路上で血まみれの状態で倒れているのを通行人が見つけ、
110番通報したのは同55分だった。
鈴木さんが昨年9月ごろに池永容疑者と別れた後、池永容疑者本人の携帯電話を
着信拒否にしていたことも判明。池永容疑者は地元の後輩男性から携帯を借り、
再び鈴木さんに連絡を取るようになったが、男性の携帯も6月に着信拒否にされて
おり、連絡手段を繰り返し絶たれたことで、恨みを増幅させたとみられる。
後輩男性は池永容疑者と一緒に9月27日に京都市から上京、数日後に戻った。
池永容疑者が翌28日にナイフを購入したのを把握しているとみられ、捜査1課が
事情を聴いている。
2013.10.16 11:23
三鷹女子高生殺害 「会いたい」「釣り合わない」浮かびあがる葛藤
東京都三鷹市で高校3年の鈴木沙彩さん(18)が刃物で切られて殺害された事件で池永チャールストーマス容疑者(21)=殺人容疑などで送検=が自宅のある京都市から上京する直前、友人らに「最後に鈴木さんに会いたい」と話していたことが15日、分かった。鈴木さん宅に潜伏中に無料通話アプリ「LINE(ライン)」でメッセージを投稿していたことも判明。事件発生から1週間が過ぎ、池永容疑者の犯行前の心の葛藤が、徐々に明らかになってきた。「最後に会いたい」池永容疑者の高校時代の同級生によると、池永容疑者は上京前日の9月26日、同級生らに「明日から4~5年、米国に行く。最後にもう一度、鈴木さんと話がしたいので会いに行く」と伝えていたという。
池永容疑者は高校卒業後の自衛隊入りが決まっていたが、健康上の理由で断念。平成23年10月ごろ、鈴木さんと交流サイト「フェイスブック(FB)」を通じて出会い、交際を始めたが、実際はアルバイトなどをしていたのに、有名私立大学の学生と偽っていた。
鈴木さんはドラマに出演するなど芸能活動を始めており、池永容疑者は周囲に「応援したいが、
彼女の夢の実現には、自分は邪魔なんじゃないか。自分とは釣り合わない」などと複雑な胸中を打ち明けていた。
漫画喫茶で寝泊まり
池永容疑者は9月27日、後輩の男性と一緒に夜行バスで上京。28日に鈴木さん宅
近くのJR吉祥寺駅前の量販店で凶器に使ったペティナイフを購入した。
事件当日までは、吉祥寺駅近くの漫画喫茶などで寝泊まりし、犯行の機会をうかがって
いたとみられる。この間、鈴木さん宅周辺では池永容疑者とよく似た男がたびたび目撃
され、今月1日と4日には実際に鈴木さんと鉢合わせていた。
また、池永容疑者とみられる人物が5日に短文投稿サイト「ツイッター」上に、鈴木さんの
画像などが投稿されたサイトのアドレスを投稿していたことも判明。
池永容疑者が逮捕される直前の8日午後6時半ごろには、ネット掲示板にも同様の書き
込みがあり、池永容疑者が「自分がやった」と認める供述をしているという。

潜伏中にLINE
池永容疑者は8日午後1時27分、「LINE」を通じて、同級生らにメッセージの投稿を開始。「ふんぎりつかんからストーカーじみたことをしてる」「そのつもりなかったけどなんやかんやで押し入れの中。出たいけど出られへん」などと続けた。すでに鈴木さん宅に侵入し、鈴木さんの部屋のクローゼットに潜伏していたとみられる。同2時17分には、鈴木さん宅の電話番号とみられる番号を投稿し、室内に誰かいないか確認する電話をかけるよう依頼。途中、「三時間前のおれしね」「あー無事にかえりたいよぅ」などと、不法侵入を後悔するような投稿もあり、事件の3時間余り前の同2時半に「(将棋の)詰みだわ」と残したのが最後だった。
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