三鷹市女子高校生殺害事件 殺害された女子高校生が無言の帰宅
フジテレビ系(FNN) 10月10日(木)3時10分配信
東京・三鷹市で8日、18歳の女子高校生が男に刺され死亡した事件で、女子高校生は、
学校や警察に対し、「男のストーカー行為」を相談していた。
事件を未然に防ぐことはできなかったのか。
「女優として活躍したい」。
その夢は、容疑者の理不尽な犯行によって、つぶされてしまった。
ストーカー行為の末に殺害された鈴木沙彩(さあや)さん(18)が、9日夜、無言の帰宅をした。
警察署を出た、鈴木さんの遺体を乗せたとみられる車が、午後8時ごろ、自宅の前に到着した。
鈴木さんの死因は、首の右側から頸(けい)動脈を切られたことによる失血死だった。
自宅敷地内から道路にかけては、大量の血痕が残されていた。
鈴木さんの母親の兄は「ストーカーがいたっていうことすら、知ったのが、事故(事件)があった
あとに聞いた話ですから。妹の夫婦にかける言葉がないから、正直言って、今は何とも
言えないです」と話した。
両親と3人暮らしをしていた鈴木さん。
小学5年生のころにスカウトされ、芸能事務所に所属。
脚本家・倉本 聰さんのめいの子どもにあたり、映画やテレビドラマにも出演していた。
鈴木さんが所属していた芸能事務所の元社員は「大学に進んで、女優として、もし難しい
ような状況であれば、英語がものすごく得意な子だったものですから、国連に勤めて、
世界を飛び回りたいみたいな」と話した。
カナダなどへの留学経験もあり、高校では、英語コースを専攻していた。
成績は、学年でトップクラスだったという。
事件から一夜明け、犯行当時の様子も明らかになってきた。
近所の人は「僕が三鷹台(駅)から帰ってきた時に、(鈴木さんが)僕の後ろを歩いていた。
僕を追い越していって、すぐに、2~3メートル先の自分の家に入って行くのを見た。
5~10分してから、僕が、こいつ(犬)の散歩で外に出たらば、倒れて血を流していた」と話した。
鈴木さんが帰宅した際、ストーカー被害の相談を受けていた三鷹署の警察官が、
「家に着きましたか?」と、到着の確認の電話をしていたことが、新たにわかった。
しかし、その直後に、池永チャールストーマス容疑者(21)が、隠れていた場所から襲撃した
ものとみられる。
池永容疑者は「被害者の帰宅を待っていた。殺すつもりだった」と供述しているという。
自宅がある京都から、東京へ向かったとみられる池永容疑者。
犯行直後、母親に電話していたという。
池永容疑者の母の知人は「(池永容疑者は)非常に慌てていたということで、そんなに長い
やり取りではなかったみたいですけれども。大きなことになっているので、(母親は)非常に
動揺されているというところですね」と話した。
学生時代の池永容疑者を知る人は「(当時はどういう感じだった?)アニメの女の子系の、
あるじゃないですか。あれのオタクやって、ダンスとかを覚えて踊ってたので。
女の子の、美少女系のポスター貼ったりとか、ちょっと変わった人でした」と話した。
数日前に、都内でナイフを購入したと供述している池永容疑者。
鈴木さんの自宅周辺では、ターバンのような布を巻いた男の姿が、目撃されるように
なっていた。近所に住む人は「男の人が(坂の方から)下りてきて、座ったんですよ。
誰かと待ち合わせかなと思って、ちょっと見てたんですけど。土曜日だったんですけど、
お昼2時すぎぐらいだったと思います。なんとなく印象に残ってたので、気持ち悪いなと。
10分もいたかいないくらいで。ただ、キョロキョロしていた」と話した。
数日前、自宅周辺で、男と鈴木さんが一緒に歩いている姿も目撃されている。
その男も、頭にターバンのようなものを巻いていたという。
周辺の住民は、「4~5日前だと思うんだけど、1歩離れて歩いてた。
仲良くデートしているというよりも、まあ、ちょっとこう、寒々しい感じ」、
「(ターバンっぽいものを巻いていた?)そう。(ターバンの色は?)黒っぽい」と話した。
鈴木さんと池永容疑者は、交流サイトを通じて知り合い、2011年12月からは交際を
始めるも、2012年9月には別れていた。
(12/27追記)
2013.10.10 11:25
高3女子刺殺 「自宅に侵入し待ち伏せ」容疑者、帰宅直後の鈴木さん襲う
東京都三鷹市で高校3年の鈴木沙彩(さあや)さん(18)が刃物で切られて殺害された事件で、池永チャールストーマス容疑者(21)=殺人未遂容疑で逮捕=が「事件当日の8日午後に家に侵入し、待ち伏せした」と供述していることが10日、捜査関係者への取材で分かった。鈴木さんからストーカーの相談を受けた警視庁三鷹署員が事件直前の8日午後4時半ごろ、鈴木さんに在宅確認の電話をしていたことも判明。鈴木さんは当時、室内にいたとみられ、
警視庁捜査1課は池永容疑者が帰宅直後の鈴木さんを襲ったとみて、
当時の状況を調べている。捜査関係者によると、池永容疑者は2階の無施錠の
窓から侵入したとみられる。室内からは血痕が見つかっておらず、鈴木さんの傷が
背中にかけてついていることから、池永容疑者が家の外へ逃げた鈴木さんを追いかけ、
後ろから切りつけた可能性が高い。
鈴木さんは当時、三鷹署員の電話に「家にいます」などと答えており、その約20分後に
殺害された。池永容疑者は「交際継続を何度も迫ったが連絡が取れなくなり、殺すつもりで
ナイフを買った」などと供述しており、交際継続を断られた恨みが動機とみられる。
捜査1課は10日、容疑を殺人に切り替えて送検した。
2013.10.10 11:59
高3女子刺殺 「将来楽しみだった」…学校・芸能関係、広がる悲しみ
国際的な女優を目指し、小学生時代から芸能活動に励んでいた鈴木沙彩さん。
最近は大学受験に向けて学業に専念するなど、夢への階段を着実に上っていた。
突然の悲報から一夜明けた9日、ゆかりの人たちが改めて若すぎる死を悼んだ。
鈴木さんは東京都杉並区内の私立高校普通科の英語コースに在籍。
「海外の舞台で活躍するためにも英語を頑張りたい」と夢を語り、系列の中学時代はカナダ、
高校では英国と米国に留学。高3となった今春以降は芸能活動をセーブし、演劇コースのある
都内の私立大学への推薦入学を目指していた。
事件を受け、中学・高校とも9、10日の2日間を臨時休校に。校長は「とても真面目で明るく、
将来が楽しみな生徒だったのに…」と声を震わせた。
フジテレビ系列のドラマ「北の国から」などで知られる脚本家、倉本聰さん(78)の姉の孫だった
鈴木さん。倉本さんは取材に、マネジメント事務所を通じて「今は何も話すことはない」と
コメントした。昨年4月には、同系列の人気サスペンスドラマ「浅見光彦シリーズ44 砂冥宮」に、
刑事役のタレント、ダンカンさん(54)の娘役として出演。
ダンカンさんは9日、公式ブログで「何てこと…明るい子だった…酷(ひど)すぎる…」と沈痛な
胸の内を吐露した。また主演俳優の中村俊介さん(38)も取材に「真面目でひたむきな姿が
印象に残ってます。人生これからというときに本当に残念です」と悲しみを語った。
2013.10.10 12:11
高3女子刺殺 ダンカン沈痛「ひどすぎる」…ドラマで親子役で共演
東京都三鷹市で私立高校3年のタレント、鈴木沙彩さん(18)が刺されて死亡した事件で、
殺人未遂容疑で逮捕された京都市右京区西京極の無職、池永チャールストーマス容疑者(21)
が「殺すつもりだった。交際関係で恨んでいた」と供述していることが9日、分かった。
サンケイスポーツ野球面にコラム「虎の通信簿」を掲載中のタレント、ダンカン(54)は昨年、
女優を目指していた鈴木さんとフジテレビ系ドラマ「浅見光彦シリーズ44 砂冥宮」で
“親子役”で共演していた。鈴木さんは女優への夢を突然絶たれ、ダンカンは9日、
やりきれない思いを語った。
「明るい子で、しっかりしていましたね。監督の指導を真剣に聞いていましたよ。それなのに
何てことを。ひどいですよ。ひどすぎます…」
ダンカンは石川県警の刑事役、鈴木さんはその娘役。役作りも兼ね、撮影の合間も父親の
ように接していた。
「2人で並んで葬式に出るシーンもあった。切ないですよ。まだ18歳でしょ。また仕事をした
ときに『昔、ボクの娘だったんですよ』って言えるかなって、思っていたんですけどね」と
声を落としていた。
2013.10.10 13:47
高3女子刺殺 親戚の倉本聡さん被害者宅訪問「勘弁して…」
東京都三鷹市で私立高校3年、鈴木沙彩さん(18)が元交際相手の男に殺害された事件で、
鈴木さんの親戚に当たる脚本家の倉本聡さんが鈴木さん宅を訪れた。
午前9時半すぎ、平服で現れた倉本さんは、正午前に鈴木さん宅を後にし、集まった報道陣の
問い掛けに沈痛な面持ちで「勘弁してください」と小声で話した。
事務所を通じて、「芸能界に入るとき、彼女自身から相談があった。それに対して、
『いい加減なところに入るな』と助言した。非常によく知っていたが最近は会っていなかった。
事件のことは昨夜(8日夜)知った」とコメントを発表した。
2013.10.10 19:31
高3女子刺殺 「やってしまった」と電話…容疑者の母親が文書で謝罪
東京都三鷹市で高校3年の鈴木沙彩さん(18)が殺害された事件で、殺人未遂容疑で逮捕
された池永チャールストーマス容疑者(21)の母親(46)=京都市右京区=が、
文書でコメントした。母親は「鈴木さんとの交際がトーマス(容疑者)の自慢だったが、
昨年の夏頃には別れ話があり、落ち込み悩んでいた」などとしたうえで、
「大変な事件を起こしてしまい母親として、深く申し訳ない思いでいっぱい」と謝罪した。
報道機関からの質問に答える形で、母親の知人を通じて示された文書によると、事件直後、
池永容疑者は「やってしまいました」と、慌てた様子で母親の携帯に電話をかけ、
死ぬことをほのめかした。母親と一緒にいた別の知人とともに、警察に出頭するよう説得
したが、充電切れのためか電話は切れ、つながらなくなった。
鈴木さんとの交際が始まったのは一昨年12月頃からで、半年後の昨年夏頃には別れ話が
あったという。鈴木さんがタレント活動をしていることを知っていた母親は「立場が違い過ぎる
のだから、そっと彼女の夢を応援し、彼女の気持ちを尊重するよう言った」としている。
ただ、池永容疑者はその頃から1人暮らしをしており、たまに会って鈴木さんの話題になっても、
「相談というよりも喧嘩のようになってしまうことが多くなった」という。
別れ話があった後も、池永容疑者が鈴木さんと電話でやりとりをしている様子があったことから、
母親は「交際は続いていると考えていた」という。
母親は「時間を巻き戻せるものなら、私が身体を張ってでも止めたかった」として遺族らに
謝罪したうえで、池永容疑者に対しては「事件の重大さを受け止めて十分に反省し、
警察で真実をありのままに話すことを望んでいます」とした。
2013.10.10 20:51
ロッテの神戸がツイッターで問題発言 三鷹の女子高生殺害「自業自得」
東京都三鷹市で女子高校生が殺害された事件に関連し、プロ野球ロッテの神戸拓光外野手
(28)が10日、自分のツイッターで「自業自得」などと発言。非難が集中し、発言を削除して
いたことが分かった。神戸選手は、被害者が容疑者と交際していたことなどを理由に同日
午前、「今回のそれは【なるべくしてなった】‥自業自得」などとツイッターで発言。
球団がこれに気づいて神戸選手に厳重注意し、発言の削除を命じた。神戸選手は「深く
反省しています」とツイッターで謝罪したが、林信平球団本部長は「許し難い内容。
ご遺族や関係者に大変申し訳なかった」と話した。球団としての処分などは今後検討するという。
2013.10.10 22:21
三鷹の女子高生殺害 菅長官「徹底した検証必要」
菅義偉官房長官は10日の記者会見で、東京都三鷹市の女子高校生が殺害された事件に
ついて「事前に警察に相談したのに、なぜ尊い命を救えなかったか。真摯に謙虚に徹底した
検証が必要だ」と述べた。
2013.10.10 23:51
三鷹女子高生殺人にみるIT時代の怖い落とし穴 FBで交際に発展…
東京都三鷹市の路上で女子高校生タレントの鈴木沙彩(さあや)さん(18)が刺殺された事件。
警視庁に殺人未遂容疑で逮捕された池永チャールストーマス容疑者(21)は、交流サイトの
フェイスブック(FB)を通じて知り合い、別れ話のもつれから、凶行に走ったとみられる。
別れた恋人を手に掛けた非道なストーカー男。その素顔と、ネット社会の落とし穴とは-。
8日の惨劇から2日がたち、事件の背景が徐々に明らかになってきた。
警視庁によると、2人は、2011年10月ごろ、FBを通じて交際を開始。
鈴木さんの留学を機に別れたものの、帰国後、池永容疑者が執拗に交際継続を迫り、
今年10月になって鈴木さんの自宅周辺にまで姿を見せるようになった。
事件当日、池永容疑者は無施錠の2階から自宅に侵入し、鈴木さんの帰宅後に室内で襲い、
屋外に逃げたところをナイフで刺したという。
複数の関係者によると、池永容疑者は京都市出身。フィリピン人の母親と4歳の妹とともに
同市内のアパートで暮らしていた。
病気の母親や年の離れた妹の面倒をみることもあったといい、「まじめなところがある
頭のいい子」(知人)とも。
京都市内の公立中学時代は、本名ではなく「仁」と名乗っていたという。
家族思いの一面もみせる池永容疑者と「国際的な女優を目指していた」(知人)という鈴木さん。

事件前後、ネット上には2人の関係の変化を示す対照的な画像が投稿されていた。

捜査関係者は「仲むつまじそうな様子が写されたツーショット画像がある一方、数日前からは、鈴木さんとみられる個人画像が出回っていた。池永容疑者が脅迫目的で投稿した可能性がある」と明かす。
事件はネット時代のリスクも改めて浮き彫りにすることに
なった。「FBを見れば相手の個人情報や居場所、行動まで把握できる。
関係を断ち切ろうとしても、ネット上の個人情報を把握されて
いれば対処が難しい」(サイバー犯罪に詳しい捜査関係者)
ITジャーナリストの井上トシユキ氏もこう語る。
「FBは実名での登録が前提で、ユーザー同士で相手の素性がある程度
把握できる。そのせいで、ユーザーが妙な安心感を抱いて心のハードル
を下げてしまう。書かれた内容を信じ込んでしまったり、情報に都合の
いい解釈を加えたりしがちで、そこに落とし穴が潜んでいる」トラブルに
なりやすいのは、今回の事件のようにFBで交際に発展したケースだ。
「FBに『自分はこうありたい』とか、『相手にこう見られたい』という願望を
投影し、実像とかけ離れた自己演出をしてしまう。
実像と虚像のズレが、現実の場面で対面した時に『イメージと違う』『ウソをついた』など
ともめる原因になる」(井上氏)最近では、「相手に申請を送って承認されれば、『友達』に
なって情報を交換できる」(同)というFBの機能を悪用する悪質業者も目立つ。
美女の写真をエサに、偽の申請を手当たり次第に送りつけて相手の個人情報を抜き取る
のが常套手段だ。井上氏は「ネットには、善人もいるが、詐欺師もいる。情報は虚実ない
まぜだということを肝に銘じておいた方がいい」と忠告している。